大利(おおり)地区は、東通村の北西部に位置し、下北の中心であるむつ市に隣接する集落です。
内陸部の地形を活かした農業が行われており、村内でも農地が広がる地域の一つです。現在はなだらかな地形と豊かな自然環境を活かし、米やそば、ブルーベリーなどの農業、そして和牛の繁殖が盛んに行われています。
地域では、15世紀末に伝わったとされる能舞や、小正月の「田植え餅つき踊り」などの伝統文化が現在も受け継がれています。
① 集落の基本情報
集落名:大利(おおり)
所在地:青森県下北郡東通村大字大利
人数・世帯数:男性55人、女性51人・49世帯(令和8年4月現在)
主な産業:農業(米、そば、ブルーベリー、長芋)、畜産(黒毛和種など)
地理的特徴:むつ市に隣接し、山林と田園風景が広がるのどかな内陸地帯
② 集落の歴史・成り立ち
大利集落は、古くから下北半島の中心地である田名部(現在のむつ市)との結びつきが強く、村の玄関口として発展してきました。
平坦で水資源に恵まれた土地柄を活かし、昭和初期の水利事業などを経て稲作が本格化。現在では、村内有数の生産量を誇る「東通そば」の栽培や、大自然のなかで育てる黒毛和種の畜産など、農業を主軸とした豊かな暮らしが受け継がれています。
③ 集落の文化・暮らし
集落の精神的な支柱となっているのが「白山神社」と、そこで奉納される「能舞」です。
15世紀末(約600年前)に修験者によって伝えられたとされる能舞は、現在も「大利敬神団」の若者たちによって受け継がれています。
東通の田植え餅つき踊り(撮影日:2025.01.17)
また、小正月(1月16日頃)には、青森県無形民俗文化財にも指定されている大利婦人会の「東通の田植え餅つき踊り」が行われていました。
現在は「田植え餅つき踊り保存会」がその伝統を受け継いでいます。
女性たちが各家を訪れ、田植え唄や華やかな餅つき踊りを披露しながら、一年の豊作を祈願する、地域全体で伝統を守り継ぐ姿が、今もこの地に息づいています。
④ 集落の特徴
・小正月の伝統行事「田植え餅つき踊り」など、豊かな郷土芸能が受け継がれる集落です。
・米作りや、村内でも盛んな「東通そば」の栽培が行われています。
・良質な肉質で知られる「東通牛(黒毛和種など)」の繁殖・畜産に力を注いでいます。
・地域コミュニティの活動が活発で、共同作業で農業を支え合っています。
⑤ こんな人におすすめ
・代々受け継がれてきた能舞や「田植え餅つき踊り」など、深い郷土文化に触れたい人。
・一面に広がるそば畑やのどかな水田など、美しい日本の農村風景を写真に収めたい人。
・農業や畜産を通じて、地域住民が助け合いながら暮らす温かいコミュニティに興味がある人。
⑥ 大利地区で見られるもの
白山神社:集落の鎮守として古くから信仰されている神社です。春と秋の例祭では郷土芸能が奉納される地域の心の拠り所となっています。
そば畑:開花シーズンには可憐な白い花が一面に咲き誇り、秋には「東通そば」として多くの人を楽しませる美しい景観が広がります。
⑦ ミニコラム
縁起の良い「底抜け」(東通村民族調査報告書 東通村大利部落より)
大利地区に伝えられている話によると、元旦の早朝に村の井戸へ「若水」を汲みに行く風習がありました。
ある時、中島嘉与吉という人物が若水汲みをしている最中に、誤って柄杓(ひしゃく)の底を抜いてしまいました。
しかし、大利では「正月にものを破損することがあっても気にするものではない」という大らかな考え方があり、なんとその年の大寄り合いで彼は部落総代に選ばれたそうです。
失敗を笑い飛ばし、幸運に変えてしまう村民の温かい人柄が伝わるエピソードです。
地域の味を守るお母さんたち
大利地区では、地域で収穫された農産物を活かした特産品づくりも活発です。
地元のお母さんたちが中心となり、東通村産の石臼挽きそば粉を使った十割手打ちそばや、大利産のもち米を使ったあられ、ブルーベリーの加工品などを手作りしています。
「昔ながらの郷土の味を身近に感じてほしい」という思いが込められたこれらの品々は、地域のイベントなどでも大人気。農業と食を通じて集落を盛り上げる、村民の温かさと活力が伝わってきます。
⑧参考情報
・広報ひがしどおり 部落の紹介「大利部落の巻」
・東通村民族調査報告書 東通村大利部落の概要
・東通村公式ウェブサイト(民俗芸能・特産品情報)
⑨大利地区の写真
大利地区 総代の竹林さん(撮影日:2026.04.22)
大利地区の風景(撮影日:2026.05.10)
大利地区のふるさと伝承館(撮影日:2026.05.10)
大利地区の風景(撮影日:2026.05.10)
大利地区の風景(撮影日:2026.05.10)
大利地区の風景(撮影日:2026.05.10)
大利地区の風景(撮影日:2026.05.10)





